電気便座に節電機能が付いていることは知っていても、それを使うと1年でいくら安くなるのかまでは、あまり知られていません。この金額は、実は機種ごとに公表されています。資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトが、年間電気代を「節電機能を使用した場合」と「使用しない場合」の2列に分けて載せているためです。当サイトが取り込んでいる省エネデータのなかで、この2列を持っているのは電気便座だけです。
この記事では、そこに載っている558機種(12社)の金額を1台ずつ引き算して、節電機能で下がる金額を集計しました(データ取得日2026年8月9日/集計日2026年8月11日)。商品を勧めるための記事ではありません。いま家にある便座の設定を見直すと、5年でいくら変わるのかを出すための記事です。
先に結論
558機種を1台ずつ引き算すると、節電機能で下がる年間電気代は中央値で1,650円、もっとも大きい機種で2,350円でした。5年に直すと8,250円、最大の機種で11,750円です。買い替えの話ではなく、いまある便座の設定だけで動く金額です。
この記事の調べ方
この記事は、資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトが公表している年間電気代を集計して比較したものです。編集部は製品を実際に使用しての評価は行っていません。計算の手順とデータの取得方法は計算方法にまとめています。
この記事では販売価格の金額を載せていません。価格は各商品の販売ページで確認してください。電気代の差と、機種数の比較だけで組み立てています。
節電機能で下がる金額は、558機種でどれくらいか
まず、下がり幅がどのくらい散らばっているかを見ます。558機種のうち、節電機能を使うと年1,000円以上下がる機種は375機種(67.2%)でした。中央値は1,650円、もっとも大きい機種で2,350円、いちばん小さい機種は0円です。金額ではなく割合で見ると、中央値で27.8%、最大の機種で58.0%減ります。
下がり幅が1,700円台〜1,800円台に入る機種が198機種あり、分布はその帯を頂点にした形になっています。反対に、下がり幅が500円に届かない機種も23機種(4.1%)ありました。「節電機能があるから同じだけ安くなる」わけではなく、機種によって効き方がかなり違うということです。
出典:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日利用)を加工して作成
図の右寄りにある2本の高い棒が、その1,700〜1,899円の帯です。ピンを立てた1,650円が中央値で、これ以上下がる機種が286機種(51.3%)あります。左端の低い棒が、ほとんど下がらない機種です。下がり幅が0円だったのは8機種で、そのうち6機種は洗浄機能のない暖房便座でした。
ここは誤解されやすい点です
省エネ型製品情報サイトの「電気便座」には、温水洗浄便座だけでなく、洗浄機能のない暖房便座も含まれます。558機種のうち18機種がこの暖房便座です。ただし、その18機種を外した540機種で集計し直しても、下がり幅の中央値は同じ1,650円でした。
5年使うと、いくら違うのか
そろえた条件
比べているのは同じ電気便座1台の中の、節電機能を使った場合と使わなかった場合です。メーカーや価格帯の違う製品どうしを並べたものではありません。
この記事の前提
この記事では、電気便座を5年使う前提で合計を計算しています。5年は、当サイトがこのカテゴリに共通で使っている期間で、政府や業界団体が定めた数値ではありません。使用年数が違えば結論も変わるため、10年使う場合の金額も表に併記しています。
年間電気代は、資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトに掲載されている金額をそのまま使っています。当サイトが独自に単価を掛けて計算したものではありません。政府データに金額が無い条件(使い方を変えた場合など)を試算するときだけ、1kWhあたり31円で計算しています。
| 節電機能を使った場合 | 使わなかった場合 | |
|---|---|---|
| 年間の電気代(中央値) | 4,210円 | 5,830円 |
| 5年の合計 | 21,050円 | 29,150円 |
| 10年の合計(参考) | 42,100円 | 58,300円 |
| 差 | 機種ごとに引き算した差の中央値は年1,650円・5年で8,250円(10年なら16,500円) | |
出典:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日利用)を加工して作成。5年・10年の合計は、掲載されている年間電気代に年数を掛けて当サイトが計算したものです。
ここは誤解されやすい点です
上の表の中央値どうしを引くと1,620円ですが、機種ごとに差を出して並べ直した中央値は1,650円です。中央値は足したり引いたりできない数字なので、この2つは一致しません。この記事で「差」として扱っているのは、機種ごとに引き算した金額の中央値のほうです。
5年でつく電気代の差
8,250円
節電機能を使った場合と使わなかった場合の差(機種ごとの差の中央値 年1,650円 × 5年)。差がもっとも大きい機種では11,750円になります。
5年の合計に占める、この差の割合
使わなかった場合の5年の合計 29,150円 のうち 8,250円=約28%。
5年で8,250円は、節電機能を使わなかった場合の5年の合計(中央値29,150円)の約28%にあたります。便座の電気代そのものが中央値で年4,210〜5,830円なので、金額が大きい話ではありません。ただ、本体を買い替えなくても、いまある便座の設定だけで動く金額という点が、ほかの家電の比較とは違うところです。
差はどこでついているのか
同じデータには、金額のもとになる年間消費電力量も、節電機能を使った場合・使わなかった場合の2つで載っています。558機種の中央値は、使った場合が156kWh、使わなかった場合が216kWh。機種ごとに引き算した差の中央値は61kWh、最大で87kWhでした。
61kWh × 27円/kWh = 約1,647円 (掲載されている年間電気代の差の中央値 1,650円とほぼ一致)
掲載されている金額を、同じ機種の年間消費電力量で割ると1kWhあたり27.0円になります。558機種すべてで26.9〜27.1円の範囲に収まったので、このデータの年間電気代は1kWhあたり27円で計算されていると考えられます。契約している電力プランの単価がこれより高い家では、下がる金額もその分だけ大きくなります。次の章で単価別に出します。
条件で変わる:あなたの場合はどちらか
ここまでは、掲載されている金額をそのまま使いました。ここからは、消費電力量の差61kWhに自分の条件を掛けて考えます。
ここは誤解されやすい点です
この章の金額は、当サイトが「消費電力量の差61kWh(558機種の中央値)× 電力量の単価」で計算したものです。政府が公表している金額とは前提が違うため、上の表とは一致しません。ご自身の契約に近い行を見てください。
電気の契約単価が違う場合
| 1kWhあたりの単価 | 1年の差 | 5年の差 |
|---|---|---|
| 25円 | 1,525円 | 7,625円 |
| 27円(掲載金額の前提) | 1,647円 | 8,235円 |
| 31円(当サイトの目安単価) | 1,891円 | 9,455円 |
| 40円 | 2,440円 | 12,200円 |
当サイトが試算に使う1kWhあたり31円で計算すると、1年で1,891円・5年で9,455円になります。単価40円の契約なら5年で12,200円です。単価の高い契約ほど、節電機能を使うかどうかの差は大きくなります。
便座の方式によって効き方が違う
558機種の内訳は、貯湯式が336機種、瞬間式が204機種、洗浄機能のない暖房便座が18機種です。節電機能で下がる金額の中央値は、貯湯式が年1,790円、瞬間式が年700円でした。手元の便座がどちらの方式かで、節電機能の効き方は変わります。なお、方式そのものによる電気代の違いは、この記事では扱っていません。
10年使う場合
下がり幅の中央値で計算すると、10年では16,500円、下がり幅が最大の機種では23,500円になります。年ごとに積み上がるだけの数字なので、5年の金額をそのまま2倍にした値です。長く使うほど、設定を見直さないまま過ごした差も積み上がります。
そもそも節電機能が載っていない機種もある
558機種のうち、機能欄に節電方式の記載があるのは543機種で、残る15機種には記載がありません。下がり幅が0円だった8機種は、いずれもこの15機種の中に入っていました(うち6機種は洗浄機能のない暖房便座)。手元の機種に節電機能があるかどうかは、取扱説明書かメーカーの製品ページで確認してください。
どちらが向いているか
電気の契約単価が高い家
同じ61kWhの差でも、31円/kWhなら5年で9,455円、40円/kWhなら12,200円になります(当サイト試算)。単価が高い契約ほど、設定を見直す効果は大きくなります。
いまの便座を10年使うつもりの家
下がり幅の中央値で16,500円、最大の機種で23,500円です。買い替えを予定していない家ほど、設定の差はそのまま積み上がります。
これから買い替える家
節電機能を使った状態の年間電気代そのものが、機種によって1,570円から7,480円まで開いています。買い替えるなら、節電機能の有無より先に、この年間電気代の数字を見てください。
ただし、節電機能をあてにすることには不利な点もあります。ひとつは、この記事の金額が電気代だけの話であることです。節電機能が働いている間に使い勝手がどう変わるかは掲載データからは分からず、当サイトは製品を実際に使用しての評価を行っていないため、便座の温かさや使い心地は比べていません。もうひとつは金額の大きさです。下がるのは中央値で年1,650円ですが、節電機能を使った状態の年間電気代そのものには1,570円〜7,480円という約4.8倍の開きがあります。古い機種を使っている家では、設定の見直しより機種の差の方がはるかに大きくなります。
よくある質問
温水洗浄便座の電気代は、1年でいくらくらいですか
省エネ型製品情報サイトに登録されている558機種では、節電機能を使った場合の中央値が4,210円、使わなかった場合が5,830円でした(2026年8月9日取得)。機種ごとの幅は、使った場合が1,570〜7,480円、使わなかった場合が1,940〜9,800円です。
節電機能を使うと、どのくらい下がりますか
558機種を1台ずつ引き算した中央値で、年1,650円(27.8%)でした。もっとも大きい機種で年2,350円(58.0%)、いちばん小さい機種は0円です。5年に直すと、中央値で8,250円、最大で11,750円になります。
この金額は、どうやって出したものですか
年間電気代と年間消費電力量は、資源エネルギー庁が機種ごとに公表している数字をそのまま引いています。当サイトが手を加えているのは、①1台ごとの引き算 ②558機種ぶんの集計(中央値・最大・機種数)③5年・10年の合計 ④単価別の試算、の4か所だけです。なお、電気便座として掲載されているのは560機種ですが、うち2機種は「使用しない場合」の金額が載っていないため、引き算ができず集計から外しています。
節電機能とは、具体的に何をする機能ですか
掲載データからは読み取れません。省エネ型製品情報サイトにあるのは「節電方式」という機能欄の有無と、節電機能を使った場合・使わなかった場合の2つの金額だけで、中身は機種によって違います。お使いの機種でどのような動作になるかは、取扱説明書かメーカーの製品ページで確認してください。
なぜ5年で比べているのですか
当サイトが電気便座・テレビ・炊飯器などに共通で使っている期間が5年だからです。政府や業界団体が定めた数値ではありません。使用年数が違えば金額も変わるため、10年で使う場合の金額も本文と表に併記しています。
電気代の単価は、何円で計算されているのですか
掲載されている金額を同じ機種の年間消費電力量で割ると1kWhあたり27.0円になり、558機種すべてが26.9〜27.1円の範囲に収まりました。1kWhあたり27円で計算されていると考えられます。当サイトが独自に試算する場合は、目安単価の31円/kWhを使っています。
節電機能を使うと、快適さは変わりますか
この記事では比べていません。当サイトは製品を実際に使用しての評価を行っていないため、便座の温かさや洗浄の使い心地については判断できません。比べているのは、公表されている電気の量と金額だけです。
買い替えた方が安くなりますか
この記事はいまある便座の設定の話なので、買い替えの損得までは扱っていません。ただ、節電機能を使った状態の年間電気代が機種によって1,570円から7,480円まで開いていることは、判断の材料になります。差の中央値1,650円より、機種による差の方が大きくなる場合があります。
なぜメーカーどうしを比べていないのですか
この記事が比べているのは、同じ1台の中での「節電機能を使うか使わないか」だからです。メーカーや方式が違う製品を並べると、節電機能の効果ではなく製品そのものの差を見ることになります。土俵をそろえるため、比較は1台の中に閉じています。
まとめ
電気便座558機種を1台ずつ引き算すると、節電機能で下がる年間電気代は中央値で1,650円、最大で2,350円でした。5年なら8,250円、最大の機種で11,750円です。年1,000円以上下がる機種が375機種(67.2%)ある一方で、ほとんど変わらない機種もあり、効き方は機種によってかなり違いました。
この記事の数字は、買い替えではなくいまある便座の設定だけで動く金額です。金額そのものは大きくありませんが、下がり幅が0円の機種から2,350円の機種まで開いているので、まずは手元の機種に節電方式の記載があるかを確認するのが近道になります。契約している電力プランの単価が31円/kWhなら、同じ61kWhの差でも5年で9,455円になります。
この記事の計算の手順は計算方法に、使っているデータ源の一覧はデータの出典一覧にまとめています。
便座の設定で動くのが5年で8,250円でした。同じ水まわりには、浄水器のカートリッジや給湯のように、買ったあとにお金がかかり続けるものがほかにもあります。水まわりで使うものの、買ったあとにかかるお金を比べた記事もまとめています。
出典・データ取得日
- 節電機能を使った場合・使わなかった場合の年間電気代と年間消費電力量(掲載値をそのまま使用):「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日取得)、PDL1.0
- 機種ごとの差の集計・5年および10年の合計:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日取得)を加工して作成/集計日 2026年8月11日
- 電力量あたりの目安単価 31円/kWh:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 目安単価(2022年7月22日改定)/当サイトの前提として使用・2026年8月8日設定
- 比較期間5年:当サイトがこのカテゴリに共通で使っている期間(政府・業界団体が定めた数値ではありません)

