電子レンジで1回あたためると、電気代はいくらかかっているのか。この記事は、省エネ型製品情報サイトに掲載されている791機種のデータから、その1回ぶんを出しました。あらかじめお伝えしておくと、掲載データには消費電力(W)の欄も、1回あたりの金額もありません。年間の消費電力量を、法令の算式で決められている回数で割り戻した当サイトの計算です。割り戻しに使った回数の出どころも、そのまま載せています。
先に結論
電子レンジのあたため1回あたりの電気代は1.30円でした(791機種の中央値・当サイトの割り戻し)。1日3.9回のペースなら1日5.05円、30日で152円です。機種によって1.18円から1.43円まで開きますが、その差は0.25円にとどまりました。
この記事の調べ方
この記事は、資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトが公表している機種ごとの年間消費電力量・レンジ部(kWh/年)を集計して比較したものです。編集部は製品を実際に使用しての評価は行っていません。計算の手順とデータの取得方法は計算方法にまとめています。
この記事では販売価格の金額を載せていません。価格は各商品の販売ページで確認してください。電気代の差と、機種数の比較だけで組み立てています。
電子レンジのあたため1回は、電気代いくらか
省エネ型製品情報サイトの電子レンジのページで確認できるのは、年間の消費電力量(kWh/年)と年間の金額、そして庫内の容量や省エネ基準達成率までです(2026年8月9日取得のデータ)。「1回あたためたら何円」という欄はどこにもありません。そこでこの記事では、年間の数値を1回ぶんに割り戻しています。割り戻すには「その年間値が何回ぶんの数字なのか」が要るので、まずそこを一次資料で確かめました。
1回あたりの金額の出し方
省エネ型製品情報サイトに掲載されている電子レンジのデータには、消費電力(W)の欄がありません。1回あたりの金額も掲載されていません。あるのは年間の消費電力量(kWh/年)と年間の金額までです。
この記事の1回あたりの金額は、掲載されている年間消費電力量・レンジ部(kWh/年)を年間1,422.9回で割り、1kWhあたり31円を掛けて当サイトが計算したものです(年間消費電力量kWh ÷ 前提の回数 × 単価)。政府が公表している金額ではありません。
なお、掲載されている欄どうしを足し合わせて年間の合計と照合したところ、791機種のうち51機種は一致しませんでした。この記事が使うのは年間消費電力量・レンジ部(kWh/年)の欄だけなので集計からは外していませんが、合計の欄と突き合わせられなかったことを記しておきます。
何回で割っているか
年間の消費電力量は、実際の使用量を測った数値ではなく、決められた条件で計算した値です。この記事は、その年間値を年1,422.9回(1日あたり約3.9回)で割っています。当サイトが決めた回数ではありません。
この回数は消費者庁「電気機械器具品質表示規程」六 電子レンジ(家庭用品品質表示法にもとづく表示の規程)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/law/law_06/item_006.html 2026年8月18日確認)に示されている算式の係数を足し合わせた数です。
- 285グラムの疑似負荷の加熱:580.8
- 245グラムの疑似負荷の加熱:66.0
- 125グラムの疑似負荷の加熱:571.1
- 185グラムの疑似負荷の加熱:205.0
規程では、電子レンジ機能の年間消費電力量を「(580.8×AV285+66×AV245+571.1×AV125+205×AV185)/1000」と定めています。AV285・AV245・AV125・AV185は、それぞれ285グラム・245グラム・125グラム・185グラムの疑似負荷の加熱に要する1回あたりの消費電力量(ワット時毎回)です。オーブン機能は「31×B/1000」、待機時は「6400×C/1000」と別に定められています。
ここで断っておくことが2つあります。1つは、省エネ型製品情報サイトに掲載されている年間消費電力量は省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)にもとづく値で、上の規程とは根拠になる法律が違うことです。当サイトは、2つの算式が同じものかどうかまでは確認できませんでした。もう1つは、係数が何を表すかが規程に書かれていないことです。この記事は「レンジ部の年間消費電力量は、1回あたりの消費電力量にこれらの数を掛けて足し合わせた数値である」という読み方で、合計の1,422.9を回数として使っています。
電気代は1kWhあたり31円(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)で計算しています。契約している料金プランによって実際の金額は変わります。「1ヶ月」は30日として計算しました。
| 中央値 | いちばん少ない機種 | いちばん多い機種 | |
|---|---|---|---|
| 掲載されている年間の消費電力量 | 59.5kWh | 54.0kWh | 65.5kWh |
| 1回あたりの電気代 | 1.30円 | 1.18円 | 1.43円 |
| 10回ぶん | 13.0円 | 11.8円 | 14.3円 |
| 1日ぶん(約3.9回) | 5.05円 | 4.59円 | 5.56円 |
| 30日ぶん(約117回) | 152円 | 138円 | 167円 |
出典:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日利用)を加工して作成。1回あたりの金額は、掲載されている年間の消費電力量を前提の回数で割って当サイトが計算したものです。
電子レンジのあたため1回あたりの電気代
1.30円
掲載されている年間の消費電力量の中央値59.5kWhを、前提の年1,422.9回で割り、1kWhあたり31円を掛けた金額です。1日約3.9回使うとすると1日5.05円、30日で152円になります。
1回あたりの金額が、機種によって開く幅
機種によって1.18円から1.43円まであります(いちばん多い機種でも、いちばん少ない機種の約1.21倍)。
1回あたり1.30円という金額は、10回あたためても13.0円という水準です。前提どおりに1日3.9回のペースで使うと、1日は5.05円、30日で152円になります。ご家庭で1日に何回使うかは人によって違うので、表の「10回ぶん13.0円」を持ち手にして、ご自宅の回数に合わせて読み替えてください。回数が前提より多ければ、そのぶん金額も増えます。
1回あたりは、機種を選べば下げられるのか
機種を変えると、1回あたりはどれだけ動くか
集計した791機種(25社)で見ると、1回あたりは1.18円から1.43円の範囲でした。差は0.25円、いちばん多い機種はいちばん少ない機種の約1.21倍です。掲載されている年間の消費電力量そのものが54.0kWhから65.5kWhの範囲に収まっているため、1回あたりの金額もこの幅に収まります。
正直に書くと、この項目で機種を選び分ける意味は大きくありません。いちばん少ない機種といちばん多い機種を10回ぶんで比べても、差は11.8円と14.3円で2.5円です。30日ぶんまで伸ばしても138円と167円で、29円しか変わりません。エアコンや冷蔵庫のように、同じ大きさの中で年に数千円動く品目とは事情が違います。下の図は791機種の分布で、山が1.28円から1.32円のあたりに集まっていることが分かります。
出典:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日利用)を加工して作成。この金額は当サイトが計算したものです。
総庫内容量が変わると、1回あたりはどう動くか
庫内が広いほど1回あたりも高くなるのか、容量帯ごとに分けて出しました。結果は、帯を変えてもほとんど動きません。いちばん高い0〜20Lの1.31円と、いちばん低い26〜30Lの1.26円で、差は0.05円です。庫内の広さは、あたため1回の電気代を決める要素としては表に出てきませんでした。ただし26〜30Lは65機種(8社)、30L以上は135機種(6社)と登録数が少なめの帯で、そのぶん中央値は動きやすくなります。
| 総庫内容量 | 機種数 | 年間の消費電力量(中央値) | 1回あたり(中央値) | 1回あたりの最小〜最大 |
|---|---|---|---|---|
| 0〜20L | 426機種(22社) | 59.9kWh | 1.31円 | 1.19円〜1.43円 |
| 20〜26L | 165機種(18社) | 58.1kWh | 1.27円 | 1.20円〜1.35円 |
| 26〜30L | 65機種(8社) | 58.0kWh | 1.26円 | 1.18円〜1.32円 |
| 30L以上 | 135機種(6社) | 58.3kWh | 1.27円 | 1.19円〜1.36円 |
出典:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日利用)を加工して作成。1回あたりの金額は当サイトが計算したものです。
1回あたりが変わるのは、どういう条件か
上の1.30円は、決められた条件のもとで計算された数値を割り戻したものです。次の3つが違えば、ご家庭で払う金額も変わります。
1回のあたための中身が違う場合
規程の算式で使われているのは、285グラム・245グラム・125グラム・185グラムという決められた重さの疑似負荷です。ご家庭であたためるのは、冷たいごはん1杯だったり、鍋いっぱいのカレーだったりします。量が多いほど、また冷凍からとかす場合ほど、1回にかかる時間も電気も増えます。「1回◯分ならいくら」という形の答えは、掲載データからは出せません。時間あたりの欄も、加熱時間の前提も掲載されていないためです。
1日に使う回数が違う場合
この記事の1日5.05円・30日152円は、1日約3.9回というペースで使った場合の金額です。ご家庭の回数がこれより少なければ金額は下がり、多ければ上がります。上の表の「10回ぶん13.0円」を目安に、ご自宅の回数に置き換えて読んでください。
契約している電気の単価が違う場合
この記事は1kWhあたり31円で計算しています。いっぽう、省エネ型製品情報サイトに掲載されている年間の金額は、掲載金額を掲載されている年間消費電力量で割って逆算すると約27円/kWhでした。前提が違うため、この記事の金額と掲載の年間金額はそのまま対応しません。契約しているプランの単価が31円より安ければ、1回あたりも1.30円より安くなります。
電子レンジの電気代を見るとき、どこを見るか
掲載データで確かめられる範囲に絞って、見どころを並べます。
電気代を減らしたくて機種を探している人
見る欄は「年間消費電力量」です。ただしレンジ部は791機種が54.0kWhから65.5kWhの範囲に収まっていて、1回あたりに直すと0.25円しか違いません。この品目では、機種選びで動く電気代はごくわずかです。庫内の広さや使い勝手など、電気代以外の条件で選んでも金額の面で大きく損はしない、というのがこのデータの読み方になります。
1ヶ月の電気代の内訳を知りたい人
前提どおりのペース(1日約3.9回)なら、30日で152円です。機種によって138円から167円の幅があります。ここに含まれているのはあたためのぶんだけで、オーブンを使うぶんは別に加わります。
オーブン機能も使う人
この記事が使っているのはレンジ部の欄だけで、オーブン部の消費電力量は入っていません。規程でもオーブン機能は別の算式で定められています。オーブンぶんが年間の電気代のどれくらいを占めるかは、別の記事で計算しています。
この見方には限界もあります。掲載されている年間の消費電力量は決められた条件で計算された値で、ご家庭の使い方を写した数字ではありません。あたためるものの量や、庫内の汚れ、置き場所の温度が条件と違えば、1回にかかる電気も変わります。また、この欄には待機している時間ぶんが含まれていない一方、掲載の年間合計とは51機種で一致しませんでした。1回あたりの金額は、あくまで公表値を割り戻した目安として見てください。
よくある質問
電子レンジの電気代は1回いくらですか
791機種の中央値から計算すると、あたため1回あたり1.30円でした。機種によって1.18円から1.43円まであります。掲載されている年間の消費電力量を、法令の算式で使われている回数(年1,422.9回)で割り、1kWhあたり31円を掛けた当サイトの計算です。
電子レンジの消費電力は何Wですか
省エネ型製品情報サイトに掲載されている電子レンジのデータには、消費電力(W)の欄がありません。掲載されているのは年間の消費電力量(kWh/年)と年間の金額です。お手元の機種のWを知りたい場合は、本体の表示ラベルか取扱説明書の仕様欄で確認してください。
電子レンジの年間消費電力量はどれくらいですか
レンジ部の年間消費電力量は、791機種の中央値で59.5kWhでした。いちばん少ない機種で54.0kWh、いちばん多い機種で65.5kWhです(2026年8月9日取得のデータ)。オーブン部の消費電力量はこれとは別に掲載されています。
電子レンジの電気代は1ヶ月いくらですか
1日約3.9回というペースで30日使った場合で152円です。機種によって138円から167円の幅があります。この回数は当サイトが決めたものではなく、法令の算式の係数(年1,422.9回)を365日で割った数です。ご家庭の回数が違えば金額も変わります。
電子レンジを1回◯分使ったら電気代はいくらですか
時間で区切った金額は、掲載データからは出せません。省エネ型製品情報サイトには消費電力(W)も加熱時間の前提も掲載されていないためです。この記事が出せるのは、決められた疑似負荷を1回あたためたときの平均としての1.30円までです。
庫内が広い電子レンジは電気代が高いですか
容量帯ごとに見ても、1回あたりはほとんど変わりませんでした。0〜20Lが1.31円、20〜26Lが1.27円、26〜30Lが1.26円、30L以上が1.27円です。いちばん高い帯といちばん低い帯の差は0.05円でした。
単機能レンジとオーブンレンジで1回あたりは違いますか
この記事はレンジ部の欄だけを使っていて、オーブンを持つかどうかで分けた集計はしていません。791機種にはどちらも含まれています。オーブン部の年間消費電力量は別の欄に掲載されているので、そちらは別の記事で扱っています。
この金額に待機電力は含まれていますか
含まれていません。規程では、待機している時間ぶんの消費電力量は「6400×C/1000」という別の算式で定められています。この記事が割り戻したのはレンジ部の欄だけです。なお、掲載されている欄どうしを足して年間の合計と照合すると、791機種のうち51機種は一致しませんでした。
なぜ1,422.9回で割るのですか
消費者庁の「電気機械器具品質表示規程」で、電子レンジ機能の年間消費電力量が「1回あたりの消費電力量×係数」の足し算として定められているためです(2026年8月18日確認)。その係数は580.8・66・571.1・205の4つで、合計すると1,422.9になります。係数が何を表すかまでは規程に書かれていないため、当サイトは「1年ぶんに相当する回数」として扱っています。
掲載されている年間の電気代と、この記事の金額が合わないのはなぜですか
単価の前提が違うためです。掲載の年間金額を掲載されている年間消費電力量で割って逆算すると約27円/kWhでしたが、この記事は当サイトの目安単価である31円/kWhで計算しています。同じ機種でも、掛ける単価が違えば金額は変わります。
まとめ
電子レンジのあたため1回あたりの電気代は1.30円でした(791機種の中央値)。1日約3.9回のペースなら1日5.05円、30日で152円です。これは掲載されている年間の消費電力量を、消費者庁の規程にある算式の係数の合計(年1,422.9回)で割り戻した当サイトの計算で、政府が公表している金額ではありません。
もう1つ分かったのは、この品目では機種を選び分けても金額があまり動かないことです。1回あたりの幅は1.18円から1.43円で、差は0.25円、30日ぶんまで伸ばしても29円でした。庫内の容量帯で分けても差は0.05円です。電気代の欄だけを見比べて機種を絞り込む必要は、このデータの範囲では大きくありません。あたためる量や回数が前提と違えば金額も変わるので、表の「10回ぶん13.0円」を持ち手に、ご家庭の使い方に置き換えて読んでください。
この記事の計算の手順は計算方法に、使っているデータ源の一覧はデータの出典一覧にまとめています。
1回あたりに直すと小さく見える金額も、台所にある道具をまとめて見ると景色が変わります。キッチンで使うものの、買ったあとにかかるお金を比べた記事もまとめています。
出典・データ取得日
- 年間消費電力量・レンジ部(kWh/年)(掲載値をそのまま使用):「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日取得)、PDL1.0
- 年間のあたため回数 1,422.9回(算式の係数の合計):消費者庁「電気機械器具品質表示規程」六 電子レンジ(家庭用品品質表示法にもとづく表示の規程)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/law/law_06/item_006.html 2026年8月18日確認)
- 1回あたり・10回ぶん・1日ぶん・30日ぶんの電気代:掲載されている年間の消費電力量を前提の回数で割り、当サイトが目安単価を掛けて計算(政府が公表している金額ではありません)/集計日 2026年8月18日
- 掲載されている年間の金額の単価 約27円/kWh:掲載金額を掲載されている年間消費電力量で割って当サイトが逆算(政府が公表している単価ではありません)/集計日 2026年8月18日
- 土俵別の機種数・中央値・分布:「省エネ型製品情報サイト」(経済産業省資源エネルギー庁)(https://seihinjyoho.go.jp/ 2026年8月9日取得)を加工して作成/集計日 2026年8月18日
- 電力量あたりの目安単価 31円/kWh:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 目安単価(2022年7月22日改定)/当サイトの前提として使用・2026年8月8日設定
- 1ヶ月30日:当サイトが置いた前提(政府・業界団体が定めた数値ではありません)

